こんにちは!シロックマ(@shirokkuma_pa)です!
今回は、アメリカで妊娠した場合の、初診についての内容、費用、スケジュールなどについて、ご紹介します。
初診の時期
アメリカでは、妊娠が市販の検査薬などで確認したのちに、自分で病院に電話をかけて予約を取ります。
アメリカでは、妊娠初期は、初期流産が10週までに起こりやすく、超初期では病院でもできることがほとんどないため、初診の時期が8-12週と遅めです。
必要な方は、医療通訳を無料でお願いすることができます。
病院探し(フィラデルフィア近郊)
フィラデルフィア近郊で、大きな病院ですと、ペンシルベニア大学病院、ドレクセル大学病院、ジェファーソン大学病院などが挙がりますが、受診したい病院のOB-GYN部門(産婦人科)に電話をかけて、予約をとることができます。
今回は、ペンシルベニア大学のOB-GYNを利用した際の体験談をご紹介します。
ペンシルベニア大学の場合、「myPennMedicine」という病院のページを登録すると、オンライン上で個人ページが登録され、保険の情報を登録したり、予約の日時、場所の確認、検査結果の参照、医療記録などを参照することができ、便利です。
受診前にすること
病院からのメッセージは主に、携帯のSMS(テキスト)で届きます。
そこで、数日前からPre Check-inの案内がきて、受診確定(オンライン上)をします。
また、受診前日に、コロナに関する問診票もテキストで届きました。
⚫︎現在、味覚障害、嗅覚障害、息切れ、咳、疲労感、嘔吐、下痢、食欲低下、発熱(100F以上)があるか
⚫︎過去10日以内にコロナにかかったか
⚫︎受診に付き添うパートナーがいれば、その人のPrescreening FormのURLが送られてくるので、それをパートナーにオンラインで回答してもらう必要があります。
→回答を終えると、Green Pass(受診当日に窓口で見せる)が送られてきます。
持ち物
⚫︎保険証
——あらかじめ、myPennMedicineに登録しました。
⚫︎お金
——Copay(うちの保険では30ドル)、事前にオンライン上で支払うこともできます。
⚫︎質問事項
——英語と日本語両方で準備
受診の流れ
15分前までに到着するようにとのことで、到着後に、OB-GYN部門へ行きました。
1. 受付
受付で、名前と予約時間を告げて、問診票をもらい、Copayの30ドルを支払いました(今回の受診はこれだけの支払い)
初診でしたが、問診票は遺伝に関する質問票のみで、待ち時間で記載しました。
⚫︎35歳以上か、多胎の場合は32歳以上か
⚫︎これまでの妊娠経過で異常を指摘されたか、催奇形性の物質にさらされたか
⚫︎赤ちゃんの父親に遺伝的な問題があったか
⚫︎嚢胞性繊維症、サラセミア、鎌上赤血球貧血症、テイ=サックス病などのスクリーニングで陽性になったことはあるか
⚫︎これまで2回以上の流産や死産の既往があるか
⚫︎赤ちゃんの父親とあなたは血縁関係にあるか
⚫︎赤ちゃんの父親はユダヤ教の先祖がいるか
⚫︎ダウン症の診断された人はいるか
⚫︎知的障害、疑いと診断された人はいるか
⚫︎自閉症と診断された人はいるか
⚫︎染色体異常と診断された人はいるか
⚫︎神経管閉鎖障害(二分脊椎、無脳症など)と診断された人はいるか
⚫︎心臓障害のある人がいるか
⚫︎口唇口蓋裂がある人がいるか
⚫︎血友病、出血性疾患、凝固障害はあるか
⚫︎筋ジストロフィーの人はいるか
⚫︎異常ヘモグロビン症(鎌状赤血球症、サラセミアなど)はあるか
⚫︎先天難聴、早期発症の聴力障害はあったか
⚫︎先天的失明、早期発症の失明はあったか
⚫︎上記に挙げた以外の遺伝的障害があったか
2. Nsからの問診
最初に、日本語通訳を利用したいか聞かれるので、利用したいと答えました。
iPhoneのような通信機で、音声のみで医療通訳の人と繋いでくれました。
体重測定(服は着たまま)→バイタル測定(血圧、心拍数、SpO2)→Nsからの問診→検尿という流れでした。
⚫︎妊娠前の体重は?(Lbであらかじめ用意)
⚫︎最終月経開始日
⚫︎高血圧、糖尿病などの既往があるか、家族歴があるか
⚫︎ドラッグ、アルコール(頻度)、タバコを吸ったことがあるか?
⚫︎性病に感染したことがあるか?Sexual activityがあるか?
⚫︎近くに利用できる薬局があるか?
3. Drの問診
ここから通訳の人と繋がり、質問に対して、通訳さんを介して答えるという流れになりました。
⚫︎既往歴、家族歴、遺伝性疾患の既往があるか、甲状腺疾患の既往があるか?
⚫︎計画的な妊娠か?
⚫︎アレルギーはあるか?
⚫︎手術歴はあるか?
⚫︎うつ病、不安症の既往はあるか?
⚫︎水疱瘡の既往はあるか、ワクチンは受けたことがあるか?
⚫︎薬を何か飲んでいるか(→Prenatal vitaminを服用している場合も答えます)
⚫︎Pap smear(子宮頸がん細胞診)を受けたことはあるか、いつか、その後のフォローはいつと言われたか?
⚫︎輸血をしたことはあるか?
⚫︎もし命に関わることがあったら、輸血をしてもいいか?
⚫︎猫は飼っているか?
⚫︎自身の職業は?夫の職業は?
⚫︎家族で、妊娠中に高血圧や糖尿病になった人はいるか?
⚫︎家族で、がんと診断された人はいるか?
遺伝子検査を希望するか?
遺伝子検査(NIPTとは別に)は、事前の問診票でリスクがある場合に推奨されます。
遺伝子検査をすると、たくさんの事項を調べられるが、何かしら引っかかる人がほとんどで、その場合に、パートナーも調べるかなどの議論になったりするようです。
→特にリスクがない場合は、推奨されなかったです。
NIPTを希望するか?
13, 18, 21トリソミーなどの疾患の可能性を調べられ、感度も99%と高く、アメリカでは受けることが普通のようです。
ただ、もちろん100%ではないこと、もし陽性が出た場合は、確定診断に羊水検査などを行うことがあるようです。
採血で行うことができるので、採血検査は、後日、Quest Diagnosticsで行うことになりました。
低容量アスピリン療法を行うか?
アメリカでは、妊婦側の病気予防のために、妊娠初期、後期から毎日低容量アスピリンを服用する選択肢があるようですが、私の場合は、リスクが特にないので、どちらでも良いと言われました。
→日本では、低容量アスピリンは一般的ではなく、日本に帰国した場合に、治療を続けられない可能性があること、私の場合は特にリスクがないとのことなので、行わないことにしました。
質問はあるか?
⚫︎次の受診はいつになるか?→6週間後(16週の時期)
⚫︎安定期に日本に帰って、日本で出産したい場合は、紹介状をもらえるか?
→アメリカでは、「安定期」という用語はないので、帰国予定の時期を具体的に伝えたところ、次回受診時に渡してくれることになりました。
4. エコーの部屋に移動
夫は別室で待機になりました。
上記の写真の、上半身はピンクの診察着(前で紐を結ぶ)、下は大きい紙を巻くスタイルでした。
診察
⚫︎胸の診察
胸の触診、腋窩リンパ節腫脹がないかの確認と、妊娠前と変化を聞かれました。虐待などがないかも聞かれました。
⚫︎子宮頸がん細胞診
診察台の傍から、足置きが出てくるタイプで、クスコを膣に入れて細胞診をしました。
⚫︎経膣エコー
部屋の電気を消して、Drが最初に確認して、その後に夫も部屋に合流して(私側につく位置で)一緒にエコーをみて、確認しました。
10週の時点の様子で、頭の位置、手足の動いている様子などを見せてもらいました。
エコー写真を1枚もらいました。
次回の受診は16週なので、妊娠初期の診察は1回のみで、このエコー写真1枚が記録だなと思いました。
5. 今後の予定
診察後に通訳者の方にお礼を言って、通訳終了になり、待合室へ戻って、Drが今後の予定を教えてくれました。
エコーから推定される、予定日(Due date)を教えてもらい、翌週以降にQuest Diagnosticsで採血をするようにとのことでした(NIPTの採血も含む)
次回は16週ですが、緊急で出血、腹痛などがあった場合は、連絡するようにとのことでした。
まとめ
アメリカでの妊娠初期の検診は、1回のみ(10週)で、日本より検診の頻度はずっと少ないこと、NIPTが一般的で、保険適応になるところもある(日本だと全額自費)などの違いがありました。
アメリカでは、医療通訳を利用することで、全てを理解した上で、疑問点も解消して医療を受けることができたので、よかったです。
補足1:医療通訳について
今回は、日本語通訳は利用することはできましたが、前回流産で緊急で夜間に受診した際などには、通訳が繋がらない時もあったので、質問事項などは、日本語と英語の両方で事前に準備していかれることをオススメします。
補足2:駐車場の利用について
病院の裏側に専用の駐車場がありますが、結果として、初診は1時間以上かかり、それで25ドルかかるようで、病院からvalidationをもらっても、10ドルの支払いが必要だったので、路駐した方が安いことが判明しました・・・
補足3:Quest Diagnosticsについて
Quest Diagnosticsは、検査専門機関で、自宅近くの施設で受けることができ、自分の都合の良い日時で予約をとることができます。
今回は、採血オーダーを印刷して頂けたので、それを持参して、採血を受けることになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。