アメリカ東海岸の都市のひとつ、フィラデルフィア。
歴史ある街並みや有名大学が並ぶこの街は、日本人にも馴染みがある場所ですが、「治安」と「学区」については、事前にしっかりとした情報収集が欠かせません。
ブログ「暮らすアメリカ」では、2021年版の治安記事が一番読まれており、この記事は2026年の最新情報にアップデートしています。
今回は、フィラデルフィアの治安に関して、現地で注意すべきこと、危険な目に遭わないためのポイントを紹介します。
現地で私自身が怖い思いをした体験と、そこから身につけた防犯の習慣は、ブログの新しい記事にまとめました。あわせてご参照ください。
現地でトラブルに巻き込まれないためにも、ここで紹介するポイントをしっかり抑えておきましょう。
この記事は、
⚫︎ 危険なエリアと、比較的安心して過ごせるエリアは?
⚫︎ 旅行・留学・駐在で気をつけたい防犯対策は?
⚫︎ 家族で暮らすなら、市内と郊外のどちらが安心?
という疑問にお答えします。
フィラデルフィアの治安:2026年時点のリアル

フィラデルフィアは「危険な街」という印象を持たれることがあります。
実際、私が暮らしていた頃も、暴力犯罪や窃盗が多い地域として知られていました。
ただ、この数年で状況は変わってきています。
2025年の殺人件数は222件と、史上最悪だった2021年の562件から約6割減少し、約60年ぶりの低水準となり、2026年に入っても減少が続いています(市警公式統計)
フィラデルフィアの治安の変化(2021年〜2025年)
| 年 | 殺人件数 | 状況 |
|---|---|---|
| 2021年 | 562件 | 殺人件数が大幅に増加 |
| 2025年 | 222件 | 約60年ぶりの低水準 |
※殺人件数は減少していますが、犯罪は一部地域に集中しており、地域による治安の差は今も大きく残っています。
出典:Philadelphia Police Department(Crime Statistics)
数字だけを見ると、「以前より安全になった」と言えるでしょう。
ただし、「街全体が安全になった」という意味ではありません。
銃撃事件の約4割は159地区のうちわずか12地区に集中しているというPew Charitable Trustsの分析もあり、市北部(Kensington、Tioga-Nicetown、Strawberry Mansionなど)を中心に、依然として全米でも犯罪率の高い地区が残っています。
旅行や留学、駐在で訪れる人にとっては、「フィラデルフィアは危険か」ではなく、「どのエリアへ行くか」を知ることのほうが大切です。
また、Center CityやOld Cityは日中であれば比較的歩きやすいエリアですが、夜間は窃盗や車上荒らしが増える傾向は変わっていません。
つまり、「街全体が安全になった」のではなく、「どこに住むか」で暮らしの質が大きく変わる構造は今も変わっていません。
だからこそ、エリア選びの情報が引き続き重要になります。
フィラデルフィアの位置関係

⚫︎ Center City
——-観光地やオフィスが集中しており、日中は比較的歩きやすいエリアです
⚫︎ University City
——-大学(University of PennsylvaniaやDrexel University)のある地域
⚫︎ West Philadelphia (以下West Philly) 危険
——-University Cityよりさらに西側。低所得者層の居住地域がドーナツ状に分布しています。
——-40th street〜63rd street付近。
⚫︎ケンジントン地区(Center Cityより北東 危険
——-危険な地域の一つで、薬物依存者が多く、注射針が落ちていることがあります。
⚫︎ ニュージャージー州のカムデン 危険
——-デラウェア川の対岸に、危険エリアがあります。
⚫︎ West Phillyよりさらに郊外
——-West Philadelphiaよりさらに西へ行くと、治安が比較的安定した郊外住宅地が広がっています。
なお、AreaVibesのデータを見ると、フィラデルフィア全体の犯罪率は現在も全米平均を上回っています。
ただし、その多くは一部地域に集中しています。
そのため、「フィラデルフィアは危険か」ではなく、「どのエリアに行くか」を知ることが大切です。
フィラデルフィアの危険なエリア
フィラデルフィアで特に注意したいエリアは、以下の3か所です。
実際にどのような犯罪が起きているかは、SpotCrimeの犯罪マップを見るとわかりやすいでしょう。
1. West Philly
※SpotCrimeの画面例(掲載当時)

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West Phillyは現在も暴力事件や窃盗が発生するエリアです。
West Phillyはエリアによって雰囲気が大きく異なります。University City周辺は比較的落ち着いていますが、西へ行くほど注意が必要な地域もあります。
バスやトロリーでWest Phillyを通過することは珍しくありませんが、バスやトロリーでは、座る位置や周囲の様子に気を配りましょう。


2. ケンジントン地区
※SpotCrimeの画面例(掲載当時)

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ケンジントン地区は、現在もフィラデルフィアで最も注意が必要とされるエリアの一つです。
薬物問題で全米的にも知られており、旅行や観光で訪れる場所ではありません。
治安改善が進むフィラデルフィアの中でも、この周辺は今も慎重な行動が必要です。
3, カムデン
※SpotCrimeの画面例(掲載当時)

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「カムデン」は、デラウェア川の対岸にあるニュージャージー州の都市です。
フィラデルフィア観光のついでに足を延ばそうと思う方もいるかもしれませんが、治安面を考えると、特別な目的がない限り訪れないほうが安心です。
観光地付近の治安は?
Center city
※SpotCrimeの画面例(掲載当時)

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Center Cityは、フィラデルフィアの中心部にある観光やビジネスの拠点です。
美術館やレストラン、ホテルが集まり、日中は観光客や通勤者も多く、比較的歩きやすいエリアです。
一方で、夜になると人通りが減る場所もあり、窃盗や車上荒らしなどの犯罪には注意が必要です。
比較的安全な場所は?
観光や留学、駐在で訪れる場合は、以下のエリアが比較的安心して過ごしやすいでしょう。
- Center City(市内中心部・観光の拠点)
- University City(大学が多く、大学警察や警備員の巡回も多い)
- Old City & Society Hill(歴史地区・観光客が多い)
- The Art Museum Area(美術館周辺の住宅街)
- Fitler Square・Washington Square West(落ち着いた住宅街)
- Bella Vista
- Fishtown(近年人気が高まっているエリア)
リアルタイムでの犯罪把握は?

現地では、「Citizen」というアプリをよく使います。
事件や事故がリアルタイムで投稿されるため、外出前に周辺で何が起きているか確認できます。
Crime Mapより情報が早く、治安が気になる地域では入れておくと安心です。
住民から寄せられた目撃情報や写真・動画が共有されることもあり、現地の状況を把握しやすいのも特徴です。
Crime Mapよりリアルタイム性が高く、外出前の確認に役立ちます。
オンライン上で「Crime map」として報告が上がる前には、タイムラグがありますが、犯罪件数の多い地域では、リアルタイムな情報が大事になるので、とても役立っています。
フィラデルフィアの防犯対策

フィラデルフィアで安全に過ごすために、私が普段から意識していることを紹介します。
1. 自分の持ち物から目を離さない
Crime mapからもわかるように、窃盗が多いので、注意が必要です。
バッグから目を離さず、店舗やレストランなどに、無造作に置かないようにしましょう。
2. 危険な地域へ出歩かない
暴力事件も多いため、危険な通りや治安の悪いエリアには近づかないようにしましょう。
Center City周辺でも、1〜2ブロック歩くだけで雰囲気が変わる場所があります。
外出前にCrime MapやCitizenで周辺の状況を確認すると安心です。
3. 歩きスマホをしない
外出時に携帯を見たり、音楽は聴いたりせず、誰かが背後から突然やってきても、距離を置いた状態で、すぐに離れられるように、緊張感をもちつつ、堂々と歩きましょう。
遠目で危険人物でないか確認し、不審な人を見かけたら、その道は避けましょう。
夜間などは、後ろを定期的に振り返りましょう。
4. 電車の中で、居眠りをしない
車内放送がないので、万一居眠りすると荷物を盗まれたり、降りる駅を過ぎて治安の悪い地域まで行ってしまう可能性があります
電車の中で、変な人が乗車してきたら、すぐに隣の車両に移りましょう。
トロリーは車掌のいる前方の運転席のあたりや、地下鉄では、逃げれるようにドアの近くなど、その時々で、臨機応変に対応しましょう。
5. お金を渡さない
路上でお金を求められても、目を合わせず、そのまま歩き続けましょう。
しつこく追いかけてくる人はあまりいません。
会話を始めてしまうと、離れにくくなることがあります。
6. 催涙スプレーを持ち歩く
危険な人からは離れることが一番ですが、万一に備えて催涙スプレーを持ち歩いています。
使う場面がないのが一番ですが、お守り代わりに持っているだけでも安心感があります。
まとめ
フィラデルフィアは全米平均と比べると犯罪率は高い都市ですが、危険なエリアを避ければ、観光や滞在を十分楽しめます。
観光で訪れる方の多くはCenter City周辺で過ごすことになると思いますが、通りを1〜2本入るだけで雰囲気が大きく変わる場所もあります。
外出前にCrime MapやCitizenで周辺の状況を確認し、危険な地域には近づかないことが何より大切です。
基本的な防犯対策を意識していれば、必要以上に怖がる必要はありません。
これからフィラデルフィアを訪れる方は、ぜひ安全に気を付けながら、現地での滞在を楽しんでください。


