2021年に公開した記事を読み返したところ、運賃体系や支払い方法が大きく変わっていました。
現在はSEPTA Key cardを買わなくても、対応するクレジットカードやスマートフォンをタッチするだけで乗車できます。
さらに、週末料金やタッチ決済など、新しい制度も加わっています。
これからフィラデルフィアへ行く方が古い情報で迷わないよう、2026年7月時点の公式情報をもとに全面的に更新しました。
ペンシルベニア州には、「SEPTA」と呼ばれる南東ペンシルベニア交通局が運営する公共交通機関があります。
これまで、フィラデルフィアのバスの乗り方、トロリーの乗り方について、ご紹介してきましたが、今回は、郊外に行く際などに利用する、Regional Railの乗り方、料金についてご紹介します。
※運賃・制度・ダイヤは毎年変更される場合があります。最新情報はSEPTA公式サイトでご確認ください。
Regional Railとは
フィラデルフィア中心部(Center City)と郊外を結ぶ、日本でいう近郊電車です。
バスやトロリーが一律料金なのに対し、Regional Railは乗る距離(ゾーン)によって料金が変わります。
走行するルート
Regional Railは全部で十数路線ありますが、日本人帯同家庭が利用することが多いのは、Main Line方面へ向かうPaoli/Thorndale Lineです。
ここでは、この路線を例にご紹介します。
Paoli/Thorndale Lineのルート
フィラデルフィア郊外で、日本人が多く住む地域である、Wynnewood、Ardmore、Bryn Mawr(高級住宅街)なども通ります。
Ardmoreには、日系スーパー「Maido」があり、駅から歩いてすぐです。日本の食材やお弁当が手に入るので、この沿線に住む日本人家庭にはおなじみのお店です。
この一帯はMain Lineと呼ばれる歴史のあるエリアで、電車の路線は、Merion station、Narberthなどの住宅地も通っています(ニーズがあるため)
105番のバスも、69th Street Transportation Centerから発車し、Lancaster Avenueを通って、ほぼ同じ方面の郊外へ繋いでいます。
(バス路線は2026年8月末から始まる路線網の再編で今後変わっていく予定なので、利用前に最新の路線図をご確認ください)
※Regional Railの路線・ダイヤも毎年変更される場合があります。お住まいの候補地を決める際は、その時点での運行状況をSEPTA公式サイトで確認することをおすすめします。

Regional Railの乗り方
支払い方法を選ぶ
1. タッチ決済(クレジットカード・Apple Payなど)
タッチ決済対応のクレジットカード・デビットカードや、Apple Pay・Google Pay・Samsung Payが、Regional Railでもそのまま使えるようになりました。
駅の読み取り機にタッチするだけで乗れるので、渡米したばかりの方や短期滞在の方は、SEPTA Key cardを買わなくても大丈夫です。
2. SEPTA Key card
チャージして使うSEPTAの交通系ICカードです。バス、トロリー、地下鉄、Regional Railと全てで使えます。

SEPTA Key cardが購入できる場所
・SEPTA Fare Kiosk
・SEPTA Sales Office
・Retail
カードの発行には$4.95かかりますが、購入後にオンラインでカード情報を登録すると、$4.95分は残高として戻ってきます。
クレジットカードと紐付けできるので、例えば$20ごとに自動チャージしてくれるので、便利です。
3. 車内で購入する
乗る前に買えなかった場合は、車内で車掌さんから買うこともできます。現金だけでなく、カード払いにも対応しています。
ただし、車内購入は事前購入より割高です(後述の料金表参照)。
また、車掌さんは$50札・$100札を受け取れないので、現金の場合は小さいお札を用意しましょう。
Regional Railの運賃
料金は「どのゾーンからどのゾーンまで乗るか」「平日か週末か」「どうやって支払うか」で決まります。
ゾーンの区分
- Zone 1/Center City:中心部とその周辺の駅
- Zone 2:フィラデルフィア市内と近い郊外
- Zone 3:市の外縁部と近郊
- Zone 4:遠い郊外、フィラデルフィア国際空港、デラウェア州
- NJ:ニュージャージー州
自分の駅がどのゾーンかは、SEPTA公式のゾーン図(運賃ページからPDFで見られます)で確認できます。
平日料金(Center City発着)
| ゾーン | タッチ決済・SEPTA Key | 車内購入 |
|---|---|---|
| Zone 1 | $5.00 | $7.00 |
| Zone 2 | $6.50 | $9.00 |
| Zone 3 | $7.75 | $10.00 |
| Zone 4 | $8.75 | $11.00 |
| NJ | $11.00 | $13.00 |
週末・祝日料金(Center City発着)
2021年当時にはなかった仕組みですが、現在は土日と主要な祝日(元日、Memorial Day、独立記念日、Labor Day、感謝祭、クリスマス)は割引料金になります。
| ゾーン | タッチ決済・SEPTA Key | 車内購入 |
|---|---|---|
| Zone 1 | $5.00 | $7.00 |
| Zone 2 | $6.00 | $9.00 |
| Zone 3 | $7.00 | $10.00 |
| Zone 4 | $8.00 | $11.00 |
| NJ | $11.00 | $13.00 |
知っておきたいルール
- 12歳未満のお子さんは、運賃を払う大人と一緒なら無料です。家族での郊外おでかけには嬉しいルールです。
- バスやトロリーで使える「2時間以内の無料乗り換え」は、Regional Railには適用されません。バス⇄Regional Railの乗り継ぎは、それぞれ運賃がかかります。
- 空港(Airport Line)は行き先ごとの特別料金です(Center City発着はタッチ決済・Key $8.75、車内購入$11.00)。
一番大事なこと:Tap in と Tap out
Regional Railでタッチ決済やSEPTA Key cardを使う場合、乗る駅でタップ(tap in)、降りる駅でもタップ(tap out)が必要です。
バスやトロリーは乗る時の1回だけで良いのですが、Regional Railはゾーンによって料金が変わるため、降りた場所を記録しないと運賃が計算できないからです。
降車時のタップを忘れると、利用区間が不明になるので、最大料金が引かれてしまいます。
SEPTA公式も「Tap-Ride-Tap(タップして、乗って、タップ)」という合言葉で、降車時のタップを一番強く呼びかけています。
私も日本のICカードの感覚で「乗る時だけタップすれば良いのでは」と思いがちだったので、ここだけは覚えておいてください。
乗車の様子
1. 駅へ行く
Google mapで目的地を入力し、公共交通機関のマークをクリックして、駅の時間と場所をチェックします。
電車の位置情報や遅延が表示されることもありますが、実際の運行とずれる場合があります。
SEPTAの公式アプリや、公式サイトのTrip Plannerでも、同様に検索できます。

乗り場では、行き先が「Center City」方面なのか「郊外」方面なのかをチェックします。
反対側の路線の場合は、階段で地下を通って、反対側の乗り場へ行くことができます。
2. 乗る駅でカードを機械にタップする

事前に、カードやスマホをタップ(tap in)します(乗った場所から、精算が始まるため)。
列車の遅延や運休で乗れないこともあるので、私はホームに列車が来てからタップするようにしていました。
3. 乗車時

電車が来たら、ドアが開くので、階段を登って乗車し、空いている席に座ります。
座席は、地下鉄などと比較して、広々としています。
走行中はドアはしまっていますが、各駅に到着するたびに、ドアを開けてもらえて、降りることができます。
車掌さんが点検に来た際には、カードやスマートフォンの利用状況を確認されることがあります。
車内放送で、次の停車駅の名前を言われて、各駅で止まりますので、降りたい駅が来たら並んで降ります。
4. 降車時

降りる駅で、カードを機械に再度タップ(tap out)する必要があります。
繰り返しになりますが、これを忘れると最大料金です。
Regional Railの雰囲気
私が滞在中に利用した範囲では、バスやトロリーと比較して、落ち着いた客層が多い印象でした。
車掌さんが車内を回っているので、電車内では安心感がありました。
定期券・お得なパス
郊外に住んで、フィラデルフィア中心部の職場や学校に通う方など、利用頻度が高い場合は、定期券がお得です。
- Weekly TrailPass:$31.00〜$69.75(ゾーンによる)
- Monthly TrailPass:$116.00〜$255.00(ゾーンによる)
どちらもバス・Metroにも乗れて、週末と主要祝日は全ゾーンで有効になります。
日帰りのおでかけには、1日乗り放題のFleX Passもあります。
- One Day Neighborhood FleX Pass:$12.50(Zone 2まで)
- One Day Anywhere FleX Pass:$16.25(ペンシルベニア州とデラウェア州の全域)
Regional Railのメリット
⚫︎車掌さんがいる安心感
⚫︎席が広く、郊外まで快適
⚫︎12歳未満は無料
⚫︎渋滞の影響を受けにくい
Regional Railのデメリット
⚫︎本数が少ない時間帯がある
まとめ
バス、トロリー、地下鉄の方が、利用料金は安いですが、Regional Railは座って移動できる安心感があり、特に子連れでの郊外⇄中心部の移動には心強い選択肢です。
状況に合わせて、公共交通機関を使い分けていただくことをオススメします。
なお、Regional Railは運賃や路線の変更が比較的多く、最近も、大幅な減便に加えて2026年からの路線廃止案が一度決定されたあと、州の承認による資金措置ですべて撤回されるという出来事がありました。
今後も制度やダイヤが変わる可能性があるので、乗車前にはSEPTA公式サイトやTrip Plannerで最新情報を確認することをおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今年更新した点(2026年7月)
- 運賃:ゾーン別料金を2026年7月時点の金額に全面更新しました(タッチ決済・Key $5.00〜、車内購入$7.00〜$13.00)
- 週末・祝日割引:2021年当時にはなかった週末料金の仕組みを追記しました
- タッチ決済:クレジットカードやApple Pay等がRegional Railでも使えるようになりました
- 車内購入:カード払いに対応した一方、事前購入より割高で、$50・$100札は使えないことを追記しました
- 定期券:Weekly/Monthly TrailPassと1日乗り放題のFleX Passの料金を更新しました
- 子ども運賃:12歳未満は大人同伴で無料のルールを追記しました
