日本にいる間に食べておきたいもののひとつが、ラーメンです。
そのなかでも今回は、難波の「我道家」に行ってみることにしました。
家系ラーメンというと、私はこれまで「濃くてしょっぱいラーメン」というイメージを持っていました。
こってりしていて、スープは飲みきれないような。そんな印象です。
でも、家系ラーメンが好きな夫に話を聞いてみると、スープ・醤油・鶏油・具材・ご飯まで含めて、かなり設計された食べ物だと知りました。
難波の我道家に行く前の予習として、夫に取材した内容をまとめます。
家系ラーメンは「濃い」だけではなかった
家系ラーメンのスープは、鶏と豚骨を合わせて作ります。
夫によると、材料を惜しみなく使っているため、ただ濃いだけでなく、濃度と深みが両立しているそうです。お店によっては原価とのバランスを見ながら作ることもあるなかで、家系は素材をしっかり使っているから「贅沢なラーメン」だと言っていました。
ラーメンは大きく「スープ」「返し(たれ)」「油」の3つで構成されています。
スープはだしのベース、返しは醤油などで作る味の核。そこに鶏の脂である「鶏油(チーユ)」が加わることで、家系ならではの香りが生まれると夫から聞きました。この3つを食べる直前に丼の中で合わせるのが、ラーメンの基本的な仕組みだそうです。
我道家は、王道家グループのお店らしい
家系ラーメンには流れがある
家系ラーメンは、横浜の「吉村家」から始まったと夫は言います。
そこで修行した方々が独立した「直系」のお店と、別の流れを作った「王道家グループ」など、いくつかの系統に分かれているそうです。夫によると、直系は比較的やさしい味わいなのに対し、王道家グループは醤油のパンチが強いのが特徴とのこと。
今回行く我道家は、王道家グループに属するお店です。夫によると、王道家グループのなかでもかなり人気のあるお店なのだそうです。
初めての我道家では「濃口」にしてみることにした
夫によると、我道家では「本店」「濃口」「うま口」から味を選べるそうです。
夫に「初めてならどれがいい?」と聞くと、すすめられたのは「濃口」でした。
「本店」はかなりしょっぱく、ひと口目・ふた口目のパンチを重視した設計で、スープをじっくり飲むようにはできていないそうです。夫の好みとしては、「うま口」よりも「濃口」のほうが家系らしさを楽しめそう、とのことでした。
「濃口」は本店と同じ醤油を使いながら、濃度を少し抑えたバランス。スープの旨みも楽しめるので、初めて行くなら濃口がいいと教えてもらいました。
トッピングはチャーシューとほうれん草
夫がとくにすすめていたのがチャーシューです。燻製の香りが強くきいていて、食べると驚くと思うと言っていました。
ほうれん草は、濃いスープのなかでやわらかな青みが合うそうです。この2つをおさえて、あとはお好みで、というのが夫のアドバイスでした。
卓上の「無限にんにく」はご飯にのせても

家系ラーメンはご飯との相性がいいそうです。
卓上に置いてある「無限にんにく」は、スープに入れて味変するだけでなく、ご飯の上にのせて食べる楽しみ方もあると夫から聞きました。ラーメンとご飯の組み合わせ、アメリカにいるとなかなか体験できないので、これも楽しみにしています。
アメリカで夫が作る、家系に近い中華そば
夫はいまフィラデルフィアで、家系ラーメンの家庭版を作っています。
完全な再現ではなく、家系ラーメンの動画を参考に「ポイントを押さえた中華そば」を目指しているそうです。日本なら美味しいラーメン屋さんに行けばいい。でもアメリカでは、自分で作るしかない。そのチャレンジが、なかなか面白い話でした。
スープはロティサリーチキンの骨から
アメリカのスーパーでは鶏ガラがそのままの形で売っていないことが多いので、夫が使っているのがロティサリーチキン(鶏の丸焼き)の骨です。
コストコや近所のスーパーで手に入り、値段も手頃。食べ終わった骨を冷凍しておいて、水で2〜3時間煮て鶏のだしを取ります。骨を砕かずに煮るため、白く濁った「白湯(パイタン)」ではなく、澄んだ「清湯(チンタン)」スープに仕上がるそうです。
返しは醤油とナンプラーで
スープに合わせる返しは、醤油とナンプラーを合わせて作っています。
ナンプラーはアミノ酸が豊富で、醤油の塩味にキレが生まれるそうです。ただ、香りが強いので、小鍋で少し煮て香りを飛ばしてから使うのがポイントだと言っていました。
鶏油が入ると、家系に近い香りになる
スープを煮る段階で鶏皮も一緒に入るため、自然と鶏油が出てきます。夫によると、この鶏油が入ることで「かなり家系に近い香りになる」とのことでした。
スープ・返し・鶏油の3つが揃うと、家系らしい香りの一杯が完成するそうです。出来立てがいちばん旨い、と力説していました。
麺はH Martで買える中国料理用の細麺を使っているとのこと。スープを一から作るのが大変な日は、チキンボーンブロスで代用することもあるそうです。ただしメーカーによって余分な味付きのものもあるので、選ぶときは注意が必要とのことでした。
日本にいるうちに、ちゃんと食べておきたい
夫の話を聞いていて、あらためて思いました。日本で食べられる家系ラーメンは、アメリカにいると本当に恋しくなるものだと。
夫がロティサリーチキンの骨を冷凍して、2〜3時間煮て、醤油とナンプラーで返しを作る。それだけの手間をかけても、再現しきれない部分があるからこそ、本物を食べに行く意味があります。
難波に行く前に、こんなに予習することになるとは思っていませんでした。明日は「ただ食べる」だけでなく、スープの濃度や鶏油の香り、ご飯との合わせ方まで、少し意識して観察してみようと思っています。
食べ終わったら、また追記したいと思います。
Podcastでも話しています
この記事の内容は、Podcastの「Lab & Life」でも取り上げています。
夫との会話の雰囲気は、文章よりも音声の方が伝わる部分もあるので、よければあわせて聞いてみてください。
Substackでは追加の深掘りを配信予定
Substackの「Lab & Life(シロックマ)」では、ブログでは書ききれなかった内容を配信していく予定です。
アメリカで使っている醤油やナンプラーの話など、もう少し踏み込んだ内容を届けたいと思っています。
