Ep13/ パン作りは一番手を出しちゃいけない研究だった

こんにちは、シロックマ(@kurasuamerica)です! 

仕事を犠牲にしてでも、パンを焼きたくなる。今回は、アメリカで研究している夫・太巻きさんが突然パン作りにハマった話です。

なぜパンなのか。なぜレシピ通りにいかないのか。そして、それがどう「研究」と同じ構造をしているのか。

気づいたら、パン作りは「最もリスクの高い趣味」になっていました。

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目次

なぜ突然パンだったのか

きっかけは、「グルメ細胞を活性化させたかった」から。

少年ジャンプの漫画『トリコ』では、美味しいものを食べると強くなれる世界が描かれています。その「グルメ細胞」を最大限に刺激するには、焼きたてのパンが一番ではないか——そんな発想から、パン作りが始まりました。

アメリカでも探せば美味しいパンは見つかります。でも結局、「焼きたてに勝るものはない」という結論に至り、だったら自分で焼くしかない、となったわけです。

なぜパンは料理の中でも別格なのか

普通の料理なら、途中で味見して修正できます。でもパンはそれができません。

発酵に何時間もかかり、結果がわかるのは焼き上がってから。最初の配合を間違えていたとしても、何時間も後にしか気づけない。

失敗したときのダメージが大きく、失敗しうるポイントも無数にある。それがパンです。

パン作りで気づいたこと:レシピはほとんど意味ない

パン作りを始めてすぐ気づいたのは、「同じレシピ通りに作っても、うまくいかない」ということでした。

原因は、素材の違いです。

同じ「ブレッドフラワー(強力粉)」でも、メーカーが違えば吸水率がまったく異なります。YouTubeの動画で「加水率80%」と言っていても、自分が使っている小麦粉では70%入れた時点で全然まとまらない、ということが普通に起こります。

イーストも同じです。「2時間で発酵する」と書いてあっても、使うイーストによっては全然発酵できないことがある。だから、冷蔵庫で一晩寝かせる「オーバーナイト法」を使うことで対応することもありました。

アメリカの小麦粉の種類

アメリカのスーパーでよく見かける小麦粉は、大きく3種類。

・Bread Flour(強力粉)

・All-Purpose Flour(中力粉)

・Pastry Flour (薄力粉)

種類は多くないのですが、メーカーによる差がとても大きい。だから、「このメーカーならこう調整する」という感覚を自分で積み重ねていくしかないのです。

パン作りは、実験設計そのものだった

途中でチェックができる実験は、ステップバイステップで進めやすい。でもパンは、長い時間をかけた後、最後に出た結果だけで判断するしかない。その意味では、最もコントロールが難しい「実験」のひとつです。

だからこそ、初めてパンを作るなら、「まず発酵させること」を最優先にした実験設計が大事です。

発酵しなかった原因が「時間が足りなかっただけ」なのか、「イースト菌がそもそも死んでいた」のかを区別できないと、何も学べません。

だから初心者には、「過発酵でもいいから、とにかく時間をたっぷりとる」ことをおすすめします。一度発酵する時間がわかれば、次から調整できる。これは、実験設計の基本と同じ考え方です。

発酵の見極め方:フィンガーテスト

発酵の具合を確認する方法として「フィンガーテスト」があります。生地に指をぷすっと刺して、穴があまり塞がらなければ発酵がうまくいっているサインです。

逆に発酵しすぎると「過発酵」となり、泡がぶくぶくしてきます。初心者のうちは、この状態を一度経験しておくのが、感覚をつかむ近道です。

実際に作ったのは、フォカッチャとピザ

イタリア料理が好きで、普段の料理に合うパンを作りたいと思い、フォカッチャとピザを選びました。

フォカッチャ:生地の味が命

アメリカのスーパーではフォカッチャはあまり売っていません。でも、切ってトマトやチーズを挟むだけで最高のサンドイッチになる。

フォカッチャで大事なのは、生地そのものの味。塩と砂糖をしっかり入れないと、味気ない仕上がりになります。発酵は最低限クリアした上で、味付けを丁寧に行うことがポイントです。

ピザ:過発酵でもいける、大事なのは伸ばし方

ピザは比較的失敗しにくく、過発酵でも問題なく仕上がります。レシピはウェブサイトを参考にすれば十分。

大事なのは「打ち粉」と「伸ばし方」です。生地は湿っているので、全体に打ち粉をつけてから、耳をあまり触らず内側を薄く伸ばしていく。打ち粉を省くと生地が縮んでしまうので、これだけは省かないでください。伸ばし方はYouTubeで自分に合いそうなものを探してみてください。

まとめ:それでもパンは、グルメ細胞を活性化する

パン作りは、趣味の中でも最もリスクが高い部類に入ります。時間がかかり、途中で修正もできない。仕事とのバランスも崩れやすい。

でも、焼きたてのパンが持つ力は本物です。

レシピを超えた「自分の感触」を育てる過程は、研究と驚くほど似ている。失敗しながら、材料を変えながら、少しずつ正解に近づいていく。そのプロセス自体が、パン作りの醍醐味かもしれません。

Podcastでも詳しく話しています

この内容は、Podcast「Lab & Life」Ep13でも夫婦で会話形式でお話しています。

音声で聴くと、パン作りの試行錯誤や笑いどころもより伝わると思います。

▶︎ Ep13|パン作りは一番手を出しちゃいけない研究だった

 

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