こんにちは、シロックマです。
今回のブログでは、私がPodcast『Lab & Life』で配信した初回エピソードをもとに、フィラデルフィア在住の夫・太巻きさんとの対談を記事にまとめました。
太巻きさんは、アメリカの研究機関でポスドクとして、化学(ばけがく)の研究をしている医学部出身の研究者です。

医学部から化学って、かなり遠回りじゃない?
そう思ったあなた、正解です(笑)でも、遠回りだからこそ得られる視点がある。今回は、医学部を卒業後、異色のキャリアでアメリカに留学中の夫・“太巻きさん”へのインタビューをお届けします。
どうして「ばけがく(化学)」に?


医学部卒のほとんどが臨床に進む中、「研究」という道、しかも化学(しかも“ばけがく”)へ進む人はほんの一握り。もともと数学者志望だったという彼は、学生時代から研究室に入り浸り、小分子化合物や代謝の研究に没頭。指導してくれる先生との出会いもあって在学中に論文を書く経験もし、研究の道に引き込まれていきました。
医学部から研究の道に進む人は少数派ですが、「変人」と自認しながら、どこか楽しそう。
化学の中でも、特に彼が進んだのは「chemical biology」という分野。医学部で習う生化学(biochemistry)とは異なり、「化学の技術を使って生命現象を解き明かす」より”化学より”の生物学です。
留学先で会社を立ち上げた話


2020年にアメリカへ留学してから約5年。実際、留学中に得られた研究成果が、創薬の世界にもつながり、既存の薬の新たな作用機序の発見にまで発展しました。
会社はラボのボスが立ち上げたもので、本人は創立メンバーとして中心的に活動中。アカデミアとビジネスの両立という、新しいチャレンジをしています。



巻かれる側から巻き込む側になるとは・・・
医学部で得た視点が、化学研究に効いている
医学部→研修医→化学の研究者という、一見、遠回りのように思えるキャリアチェンジですが、医学の知識をベースに持ちながら研究している彼は、分子レベルでの反応を、臓器や全身の機能までをリンクさせて解釈できる視点が強みで、今の研究にとても役立っているそう。
化学を「ツール」として扱う彼にとって、その解釈と応用の部分で、医学的な視点は大きなアドバンテージになっています。
研究と暮らしの交差点から
「ちょっと変わったキャリア」が結果的に、研究に深みを与え、ビジネスにもつながっているという話。
専門が違っても、視点や経験は武器になる。そう思わせてくれる回でした。
次回以降も、このようにゆるっとした夫婦対談の内容をブログにもアップしていく予定です。
「Lab & Life」ポッドキャストも、あわせてどうぞ!
リンク
次回は「一時帰国エピソード」について、引き続きゆるっと語っていく予定です。
それでは、また。