今回はPodcast「Lab & Life」第7回の内容を記事にまとめました。テーマは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。
大学時代から強いいびきがあった夫が、アメリカで実際に受診・診断を受け、CPAP治療を導入した体験をお伝えします。研究生活と切り離せない「睡眠の質」について考えるきっかけになればと思います。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)は、睡眠中に気道が塞がれ、呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。
主な症状
- 大きないびき
- 呼吸が止まる(パートナーに指摘されることも多い)
- 日中の強い眠気
- 集中力低下や頭痛
- 高血圧や生活習慣病のリスク上昇
放置すると、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる疾患につながることもあり、早期発見と治療が非常に重要です。
アメリカでの診断までの流れ
受診のきっかけ
長年のいびきに加え、血圧が高くなったことから、アメリカで受診を決意しました。
まずは、かかりつけ医(Home doctor)を受診し、そこから睡眠専門医に紹介されました。
Home Sleep Testとは
診断のために行ったのが、Home Sleep Test(自宅での簡易検査)です。
専用機器を装着して一晩過ごし、酸素飽和度や呼吸数を測定します。
結果は、「重度の睡眠時無呼吸症候群」。呼吸停止の頻度が高く、血中酸素が繰り返し低下していることが確認されました。
CPAP治療の導入
CPAPとは?
CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、マスクを通して空気を送り込み、気道を広げて呼吸を維持する治療法です。
治療で感じた改善
- 朝の目覚めがスッキリ
- 血圧が安定して下がる
- 頭痛や日中のだるさが軽減
- 集中力や活力が回復
副作用や課題
- 舌に潰瘍ができるなど、機械圧による不快感
- 空気圧で目が覚めてしまうこともある
- 精神的に慣れるまで時間が必要
それでも、体調は明らかに改善し、数値としても効果を実感できました。
アメリカの医療制度と費用

費用の目安(HMOタイプ保険の場合)
- 初診(かかりつけ医):25ドル
- Home Sleep Test:45ドル
- CPAP導入:58ドル
- 以降は月5ドルでレンタル継続
制度の特徴
アメリカでは保険の種類によって負担額が大きく異なります。今回のケースでは、比較的安く抑えられましたが、制度の複雑さや個人差には注意が必要です。
睡眠の質がもたらす生活の変化
身体への変化
- 頭痛が減り、朝のだるさが改善
- 日中の眠気が減り、集中力が向上
生活習慣の変化
- 食の好みが変化し、ファーストフードを欲しなくなった
- エネルギーが増し、日常生活が楽に感じられるようになった
研究生活への影響
「睡眠の質」が改善することで、心身の健康だけでなく、集中力や持続力が求められる研究活動において、睡眠の質の重要性を実感しました。
まとめ
- いびきは病気のサインである可能性がある
- アメリカでは、Home Sleep Test→CPAP治療が一般的な流れ
- CPAP治療により、睡眠の質と生活の質が劇的に改善した
今回の体験を通じて、日々の暮らしと研究活動の両方に「質の高い睡眠」が欠かせないことを改めて感じました。
もしご自身やご家族のいびきが気になる場合は、一度医療機関に相談してみることをおすすめします。
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