今回の「Lab & Life」第5回では、アメリカで研究している夫・太巻きさんと、妻である私シロックマが、「研究と料理の共通点」について話しました。
研究室とキッチン。一見全く違う世界に見えますが、実は似ている部分があるのです。
研究と料理の共通点

計量・温度管理・段取り力
分子生物学や生化学の実験は、材料の分量を正確に測り、時間や温度を管理し、手順通りに進める必要があります。これは、お菓子作りや煮込み料理とそっくり。
さらに、反応を待つ間に次の作業を進める「並行作業」のスキルも共通しています。
プロトコール=レシピ
研究にも「プロトコール」という手順書があり、料理でいうレシピのような存在です。ただし、ゴールや目的に合わせて手順をアレンジし、自分なりの工夫を加えるのが研究の面白さ。これは料理人がレシピを元に独自の味を生み出す過程に似ています。
並行作業と失敗からの学び

失敗も次のヒントになる
料理では「食べられればOK」ということもありますが、研究では結果が出なかった場合も重要なデータになることがあります。失敗から原因を探り、方法を見直す。そのサイクルが研究の醍醐味のひとつです。
キャリア形成も料理人と似ている?

修行とオリジナリティの確立
一流の料理人は有名店で修行し、技術を磨きながら独自のスタイルを確立します。研究者も同じで、著名なラボや師のもとで学びつつ、自分ならではの研究テーマを築いていきます。
ドキュメンタリーから学ぶ
太巻きさんは、Netflixの『シェフのテーブル』など、世界のスターシェフを取り上げたドキュメンタリーからもインスピレーションを受けているそうです。
「ラボを選ぶ時も有名さより、自分のオリジナリティを育てられる環境かどうかが重要」という視点は、シェフが独立の道を選ぶ時の感覚と似ています。
おわりに
研究と料理。共通するのは、計画性と段取り力、そしてオリジナリティを生み出す創造性です。
普段は、研究から遠い生活をしている私でも、料理の視点から共感できる部分が多く、研究が少し身近に感じられました。
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